新技術創成研究所・公開講演会「21世紀の科学技術~重力波~」

Asia/Tokyo
大講義室 (長崎総合科学大学)

大講義室

長崎総合科学大学

    • 13:00 14:30
      重力波をとらえる~日本の重力波望遠鏡KAGRA~ 1h 30m

      アインシュタインの一般相対論によれば、物体が加速度運動をしたときに重力波が発生し、宇宙空間を光速で伝わっていきます。ただし、その波の大きさは極めて小さく、「時空のさざ波」と呼ばれています。アインシュタインの予言から100年がたった2015 年に、これがついに直接とらえられました。本講演では、重力波検出の歴史と、日本の重力波望遠鏡KAGRA についてご紹介します。

      Speaker: Prof. 正健 大橋 (東京大学宇宙線研究所 重力波観測研究施設長)
    • 14:30 16:00
      重力波源からの光をついに観測~日本の望遠鏡群が捉えた重元素の誕生現場~ 1h 30m

      広島大学、国立天文台、甲南大学、鹿児島大学、名古屋大学、東京大学などで構成される日本の重力波追跡観測チームJ-GEM(代表:国立天文台ハワイ観測所長・教授 吉田道利)は、2017 年8月17 日にアメリカの重力波望遠鏡AdvancedLIGO とヨーロッパの重力波望遠鏡Advanced Virgo によって検出された重力波源GW170817の観測を行い、重力波源の可視光・赤外線対応天体を捉えて、その明るさの時間変化を追跡することに成功しました。
      2017 年のノーベル物理学賞を獲得したばかりの重力波の直接検出ですが、今回の一連の研究から、重力波が未知の宇宙への有力な観測手段であることが確実なものとなり、「重力波天文学」の本格的な幕開けが期待されます。本講演においては、日本の望遠鏡群が捉えた重元素の誕生の現場についてご紹介します。

      Speaker: Prof. 弘治 川端 (広島大学宇宙科学センター長)